WCK Meeting Vol.50「流行り廃りに流されない!「気付くチカラ」でマーケティングの本質を知る」レポート
2017年3月3日(金)高知市文化プラザかるぽーとにて、WCK Meeting Vol.50「流行り廃りに流されない!「気付くチカラ」でマーケティングの本質を知る」が開催されました。
今回の勉強会は、ウェブプロデューサーの角掛健志さん(インターネットストラテジー代表)をお迎えして行われました。様々な○○マーケティングの手法が現れては消えていくウェブ業界で、ずっと使えるマーケティングの基礎と本質を、セッションとワークを通してお伝えいただきました。
何から取り組んで良いか分からなかったマーケティングについて、楽しく学べた、すっきり理解できた、分かりやすかった!という感想も多く、続編希望の声も聞かれた勉強会についてレポートします。
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マーケティングは「欲しくなってもらう」仕掛けづくり
「マーケティングとはなにか?」という問いで始まったセッション。小難しい定義や様々な解釈、たくさんの専門用語はありますが、それらを一気に学んでも難しいだけ、と角掛さん。「マーケティングはモノを売るのではなく欲しくなってもらう仕掛け」とズバリ噛み砕いて言い表してくださいました。
3つの基本、ターゲット・ニーズ・ウォンツ
どうしたら人はモノが欲しくなるか、ユーザーの気持ちを想像し、理解することがマーケティングの第一歩。
その手がかりとなる3つの基本を教えていただきました。
ターゲット:誰に
ニーズ:何を
ウォンツ:どうする
ターゲット=誰にモノを買ってもらうのかを考える時のポイントとして、タイミングによって人の立場は変わる、ということが挙げられました。例えば、平日は会社員/休日はお父さんなど、同じ人物でも時と場合によって異なる属性値を持つユーザーになります。ユーザーの姿や背景、事情をより詳細に想像することで、その人に「欲しくなってもらう」仕掛けを考えやすくなるのだと感じました。
もうひとつのポイントとなったのが、ニーズとウォンツを切り分けて考えること。一見混同しそうなこの2つですが、理由や手段まで含まない単純な目的や必要性がニーズ、○○だからどうしたいという欲求まで含むのがウォンツ、と解説いただきました。
30歳男性が車を買う場合を例に、どんな欲求がありそうか参加者でパターンを出し合う中で、ウォンツを上手くくすぐることが、欲しい気持ちをかき立てる秘訣なのだと理解することができました。
余談としてお話くださった「流行りモノが廃れる理由」は、必要性(ニーズ)のないウォンツのみの商品だからという解説も、ニーズとウォンツの違いを理解する良いヒントになりました。
「気付くチカラ」を鍛えるトレーニング実践
次に、日常の中にあるマーケティングを、ホテルのプランや電車の車内広告、ファミレスの看板など豊富な例をもとに解説いただきました。
また、角掛さんが目にされた一枚の広告から、どんな視点で「妄想」を広げて分析されているかもお話くださいました。
普段何気なく目にしているものにも必ず目的や意図があり、そうした日常の「当たり前」に興味をもって紐解いてみることが、マーケティング力を鍛えるトレーニングになるということでした。
続いて実際に、身近な対象物を取り上げてターゲット・ニーズ・ウォンツを分析するワークショップが行われました。普段使っている持ち物を分析する人、今日買ったものを分析する人、いつも利用している喫茶店を分析する人……角掛さんのセッションを聴いた後に取り組んだことで、より多くの気づきや実感を得られた方も多かったのではないでしょうか。
マーケティングは全てのビジネスに通じる
今回の勉強会を通して、普段は意識していない風景の中にもマーケティングは溢れているのだと知ることができました。日常を分析するクセをつけ、ターゲットと目的、欲求を紐解くトレーニング=ロジカルな妄想を重ねることが「気付くチカラ」を養い、やがてマーケティングの「勘」と呼ばれるものになる、というフレーズが印象的でした。
マーケッターでなくとも、全てのビジネスはその売上やエンドユーザーを見て仕事をするのが本来あるべき姿。マーケティングへの理解は、ビジネスの本質を掴み、ユーザー、ひいてはクライアントに響く提案を生み出すための武器になってくれると感じることができました。
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懇親会
勉強会の後は場所を移し、角掛さんを囲んでの懇親会を行いました。ご参加いただいたみなさん、角掛さん、ありがとうございました!
写真撮影:鍋坂樹伸(サン・スタジオ)、上野洋平(notch)