WCK Meeting vol.56「キーワードから探るWeb制作の未来像」レポート

2017年12月2日(土)、WCK Meeting Vol.56「キーワードから探るWeb制作の未来像」が開催されました。

書籍『Webサイト、これからどうなるの?キーワードから探るWeb制作の未来像』の出版を記念して開催された今回の勉強会。岡山県より共著者の前川昌幸さん、澤田望さん、そしてウェブクリエイターズ高知・初の“著者”坂上北斗さんをお迎えして、ウェブの未来を探る3つのセッションが行われました。

じゃんけんプレゼントでスタート

書籍イベントらしく(?)参加者への「書籍じゃんけんプレゼント」からスタート。

エムディエヌコーポレーション様さんより、3冊の書籍をご提供いただきました。

ここで嬉しい事実が発覚。今回のテーマ本『Webサイト、これからどうなるの?キーワードから探るWeb制作の未来像』、なんと参加者の半数以上が購入済み!という訳で、こちらの1冊は購入検討中だった方の手に。

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Session 1:高知のWeb制作、変わったこと&変えたこと


会場もあたたまったところで、1つめのセッションへ。
はじめの登壇者は、ウェブクリエイターズ高知の実行委員でもある坂上北斗さん(株式会社メディア・エーシー)でした。

制作しないウェブ制作者? 立ち上げ3年目のウェブマーケティング部の舵とり

高知の広告代理店でウェブ制作部を立ち上げて3年目の坂上さん。最近、ウェブ制作の売上比率を下げることを意識されているそう。
「どういうこと!?」と思わず身を乗り出したくなるお話です。その心は、ウェブマーケティングの知見を活かして、お客様のビジネスを発展させるコンサルティング業務の比重を上げる方向へシフトされているとのこと。今回のセッションでは、そのような方向転換に至った理由と実際の取り組み、結果と展望について惜しみなくお話いただきました。

強みを可視化し、サービスの価値として磨き上げる

作るだけなら誰でも出来るようになったウェブ業界で、お客様に選ばれるためは「どんな価値を提供出来る人なのか」を明確にする必要があります。
「制作しない」サービスは目に見えないからこそ、得意領域を宣言したり、チームやクライアントの間で共通認識を持ってもらうための言語化・体系化が欠かせない、と坂上さん。ネット・スマホ・SNS の3種の神器で消費者がユーザーになった時代、情報は「守・破・離」より「集・発・理=集めて・発信して・整理する」の姿勢で、とのお話も印象的でした。

これからのウェブ制作で地方の少人数チームが戦っていくためのヒント満載で、「自分の強みを考えてみたい」「SNSをもっと活用してみます」などの声が聞かれました。

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Session 2:Webアクセシビリティ、今ならどうするの?


続いては、澤田望さん(SAWADA STANDARD DESIGN)によるセッションでした。
高知では、ちょうど前の週に「Webアクセシビリティの学校」が開催されたばかり。年々注目が高まりつつあるウェブアクセシビリティに、今どんなことから取り組めば良いかを解説いただきました。

ウェブデザインの目的から考えるアクセシビリティ

「ウェブデザイン」って何?という大きな問いかけから始まった澤田さんのセッション。商品を買ってもらったり、サービスを利用してもらうといったウェブサイトのゴールを実現するためには、まずはサイトの情報にアクセスしてもらうことが不可欠です。「アクセシビリティ対応」というと、実装面にフォーカスが当たりがちですが、デザイナーの澤田さんならではの切り口で、ウェブサイトを作る目的とアクセシビリティを考えることは相反しないことが理解できました。

まずは土台から! アクセシブルなサイトをたくさん増やそう

セッション中では、2018年に勧告予定の WCAG 2.1 での変更のポイントも教えていただきました。モバイル端末や音声認識デバイスなど、ウェブを取り巻くユーザーの環境により見合ったルールが強化されるとのことでした。

また、これから取り組みを始めたい人に向けて、アクセシビリティ・チェックの優先順位を4段階に分けて解説いただきました。たくさんのルールを前にすると途方に暮れてしまいますが、澤田さんの「50点のサイトを100点に高めるよりも、50点のサイトをもっとたくさん作りましょう」の言葉に、勇気付けられた方も多かったのではないでしょうか。

今回の澤田さんのセッションで使用されたスライドは SlideShare でも公開されています。勉強会の復習に、アクセシビリティ入門の第一歩に、ぜひ共有・ご活用ください。 https://www.slideshare.net/nozomisawada969/web-83310470/

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Session 3:受託制作のレスポンシブウェブデザイン


最後のセッションは、前川昌幸さん(株式会社イー・ネットワークス)の登壇でした。今やウェブ制作現場に欠かせない存在となった「レスポンシブウェブデザイン(RWD)」をメインテーマに、次の日からすぐに役立ちそうなテクニック満載でお話いただきました。

あるある連発! 受託制作の心得

ウェブサイトの担う役割が広がり、RWDが一般化するにつれ、サイトの設計などのいわゆる「上流工程」やデザインから分業した形でマークアップを請け負うことが増えた、と前川さん。受託制作を円滑に行うための確認事項や線引き、コミュニケーションの心得をお話くださいました。
これが高知のウェブ制作事情にどんぴしゃにハマり、会場では深く頷く人や思わず笑ってしまう人が続出でした。

デザインデータからの書き出しやRWDの実装力アップに役立つTipsをたくさん共有いただき、コーディングをする人はもちろん、ディレクターやデザイナーにとっても、仕様決定やデータ作成時に押さえるべきポイントを学ぶことができました。

Sass でコーディングを効率化しよう

セッション後半では、前川さんが普段の案件で使用されている Sass の環境をご紹介いただきました。会場で既に Sass を導入していた方は2名。実際のファイルを見ながら導入方法や活用法を解説いただき、効率的にコーディングが行える様子に参加者のみなさん興味津々の様子でした。

アンケートの満足度も高く、「今後導入してみたい」「もっとじっくり聞いてみたい」との声多数で、ぜひ改めて機会を設けて勉強会をお願いしたくなるセッションでした(来年にご期待ください!)。

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参加者へのプレゼント


前川さん・澤田さんより、参加者の皆様へ岡山のお土産をいただきました。
岡山名物きびだんご、アメトーークでも紹介された大手まんぢゅう、岡山発祥の点字ブロックを模ったおせんべい。 参加者の方からもお土産をいただき、休憩時間にみんなでおいしくいただきました。
ご提供ありがとうございます!

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懇親会

勉強会の後は、出演者のお三方を囲んでの懇親会が行われました。「Web制作の未来像」を肴に話題は深夜まで尽きず、大いに盛り上がりました。
前川さん、澤田さん、坂上さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

写真撮影:上野洋平(notch)、中野玄(HOOP Design

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