「JBUG 高知 #0 仕事をうまく回すためプロジェクトマネジメントを身近なものにしよう」WCK Meeting Vol.75 レポート
皆さん、こんにちは。ウェブクリエイターズ高知(WCK)の坂上です。
2019年10月18日(金)に、高知県では初開催となる「JBUG 高知 #0」が開催されました。
JBUG(ジェイバグ)とは、タスクマネジメントツール Backlog のユーザーコミュニティで、Japan Backlog User Group の略称です。
高知では、まだコミュニティ運営者がおらず「#0(これから始まる)」のついた勉強会となりましたが、初開催にも関わらず20名ほどが参加。
次の日には、WCKの実行委員でもある小橋さん、森田くんが運営に名乗りを上げ、高知でも JBUG のコミュニティが誕生しました!
高知では、まだまだユーザーが少ない印象のBacklogですが、JBUGの勉強会では、ツールの使い方にとどまらず「プロジェクトマネジメント」全般をテーマに扱うため、ビジネスパーソンであれば誰もが役立つ学びを得られるコミュニティだと思いました。
では、キックオフである #0 の参加レポートをどうぞ。
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"西から来た馬面の男" 西馬さんによるコミュニティ紹介
まずは、一度聞いたら忘れられない通り名?をもつ西馬さんから、JBUGコミュニティの紹介。
Backlogは、コミュニティ活動などで使った経験があったのですが、ユーザー数100万人以上と大きな規模になり、コミュニティ活動も全国各地で行われているとのこと。
何故かペットボトルのお茶で「乾杯!」をして、セッションが始まりました。
会場によっては、お酒を飲みながらセッションを聞いたりしているみたいですね。
これは、高知県民にはぴったりのコミュニティかも!?
JBUGの勉強会は、四国でも初とのこと。
高知を皮切りに、四国のプロジェクトマネジメントの底上げにつながると良いな。
業務でBacklogを使っている小橋さんによるBacklog活用事例紹介
最初のセッションは、WCK実行委員でもあり、最近高知で会社を立ち上げた株式会社とさわの小橋さんによる「Web制作現場でのBacklog活用事例」。
実際に、仮のプロジェクトを登録したBacklogの画面を表示しながら、説明してくださったので、ツールの機能や活用方法がイメージしやすくありがたかったです。
しばらく使っていないうちに、いろんな便利機能が追加されている!
Backlogを実務でどのように使っているか、個別の機能も含めて紹介してもらいました。
「進行管理」という名前のタスクをつくる
デザインやコーディングという実務だけではなく、ディレクターがプロジェクトを管理するための時間もタスク化するのが大事ですね。
Wikiを活用する
プロジェクトに関わるメンバー全員に、前提情報や運用ルールなどを共有することで連携がスムーズになるとか。
メンバーが新たに増えたときは、この情報共有の大事さを実感するんですよね…。
以前は別のツールを使っていたという小橋さんですが、BacklogのWikiはシンプルで使いやすいとのことでした。
ガントチャートが便利!
続いて、各タスクのスケジュールがビジュアルで確認できるガントチャート機能の紹介。 長期のプロジェクトの場合は、毎週のミーティングで進捗を確認するとのこと。 スケジュールが変更になった場合に、ガントチャート上でドラッグしてタスクが移動できるため便利です、と小橋さん。
「期日が過ぎたタスクについてはガントチャート上でも “炎上” しているようしてもらえると分かりやすい」と、ヌーラボさんへの要望も出ていました。
開発者とユーザーが直接やり取りできるところも、JBUGの良いところですね。
Backlogの進化や活用法を、具体的に知ることができたセッションでした。
プロジェクト管理は、顧客満足につながり、顧客満足は差別化につながる
続いてのセッションは、フォージビジョン山口さんによる「顧客満足度を高める為のプロジェクト管理」。
個人的に、一番うなずくことが多く、プロジェクトマネジメントの奥の深さを学ぶことができました。
プロジェクトには、目的と終わりがある
最初にPIMBOKのプロジェクトマネジメントの定義を紹介いただきました。
プロジェクトとは、「独自の製品やサービスを想像するために実施される有機的な業務」であり、必ず ①目的があり、また ②終わりがある という基本から教えていただきました。
現実には目的が曖昧なプロジェクトもあるよなぁ…改善せねば!と思いながら話を伺いました。
コミュニケーションの質の向上は顧客満足、差別化につながる
コミュニケーションマネジメント計画を立て、お客様ごとにどういったコミュニケーションが喜ばれるのか、ログを残していくことで会社の資産になると山口さん。
議事録を残す文化のある会社は多いと思いますが、コミュニケーションログを「顧客満足度を高める」目的で蓄積し、「資産」と捉えて活用しているのはすごいと思いました。
コミュニケーションを通してCS(顧客満足度)を上げていくと、お客様のコミュニケーションに対する要望水準も高まり、その要望に応えるために、更にコミュニケーションレベルを上げていく。
これが他社との差別化につながるとのこと。
システム開発が本業でありながら、コミュニケーションの質に注目され、全社で能力向上に取り組んでいるフォージビジョンさんの考え方は、顧客とコミュニケーションを取りながらWebサイトを作る、Web制作者にも参考になるのではないでしょうか。
非営利プロジェクトにもBacklog!
休憩を挟んで、LTがスタート!最初のテーマは、「イベント運営で使うBacklog」。
ボランティアチームで企画・運営しているウェブクリエイターズ高知としても、とても参考になるセッションでした。
ボランティアでイベントを運営する前提として、メンバーそれぞれ仕事を持っていたり、学業があったりして、使える時間がバラバラであり、関わり方も全員異なることを許容した上でプロジェクトを組み立てなくてはいけないという話は、非常に納得感がありました。
また2回、3回とイベントを継続して行く際には、前回までのログがノウハウとして役立つというお話がありました。
ウェブクリエイターズ高知は、ログを十分活用できていない気がする…。また実行委員で話し合いたいテーマが決まりました。
Backlogを開発しているヌーラボさん登壇!
続いて、Backlogを開発している株式会社ヌーラボから、「谷やん」こと谷山さんのセッション。
最近リリースされた新機能やサービスの紹介がありました。
ユーザーとしては、こうやってベンダー側の人が地方に足を運んでくれて、直接質問したり、意見交換したりできるのは嬉しいですよね。
「タスクの状態を表すステータスの種類が増えましたが、『保留』のステータスは使わないほうがいいです。メンバーが忙しくなると保留だらけになるので…」という紹介には、参加者の皆さん経験があるのか、頷きながら笑いが起こっていました。
リモートワークには、プロジェクト管理ツールが必須!
高知のコミュニティの代名詞?である片岡さんからは、「リモートワークで活用Backlog!」。
片岡さんにとっての Backlog はリモートで働くための”3種の神器”の一つだとか。
複業家でもある片岡さんらしく、東京の仕事を高知で行ったり、海外にいながらコミュニティ運営に関わるミーティングに参加したりという働き方を、どんなツールを使って実現しているのか知ることができました。
プロジェクトの進捗やタスクの確認だけではなく、過去の知見やノウハウの蓄積と活用にも使えるとのこと。ノウハウを蓄積・共有するのは大事だけど、あんまりできていないチームも多いんじゃないかなと自社を含めて改善に取り組みたいと思いました。
北海道から駆けつけた三浦さんによる熱いLT「ロールとタスクと権限移譲と」
JBUGの次の日に開催されるCLS高知(コミュニティリーダーズサミットin高知)に参加するために、北海道から高知に来たら、巻き込まれて登壇することになった三浦さん(笑)。
LTとは思えない情報量と熱量で、北海道テレビ放送さんにおいてライブ配信基盤を数ヶ月でスピード構築した際のエピソードを話してくださいました。
三浦さんの話の中でハッとさせられたのは、プロジェクトに関わるのは人であり、複数の人が協力し合うためには、コミュニケーションが大事で、どんなコミュニケーションを発生させるのか?を考えるのも、プロジェクトマネジメントの領域だということ。
デジタルツールを使いながらも、ホワイトボードにロジックを書いて、それを見ながら会話が生まれるような場を作ったり、助け合い・声の掛け合いが発生するような権限移譲を行ったりと、三浦さんの人柄やマネジャーとしての意識や行動が伝わるセッションでした。
「アイデアは会話から生まれる」
「ロールは付け替えが難しいが、タスクは付け替えできる(シェアできる)」
これは、自分の職場に持ち帰りたいと思いました。
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Backlog World 2020 開催!SAVE THE DATE!
最後に、西馬さんからBacklogユーザーが一堂に会する大きなカンファレンス「Backlog World 2020」の告知がありました。
開催日は、うるう年の2月29日!覚えやすい!!
「Backlog World 2020」公式ページ
皆さんの持ち寄ったテーマが幅広く、お腹いっぱいになりました。
プロジェクトマネジメントは、業種や職種に関わらず、すべてのビジネスパーソンが身につけたいテーマだと思います。JBUGが全国に広がることで、日本の生産性が高まっていくと素敵です。
高知に実行委員も誕生したことですし、高知でも盛り上げていければと思います。
翌日の準備があり、バタバタと会場を後にしましたが、とても楽しい雰囲気で学びの多い勉強会でした。
登壇者の皆さん、運営の皆さん、参加者の皆さん、ありがとうございました!