「ベルメゾンネットの創始者に聞く!ECサイト&実店舗で売上を上げるための考え方」WCK Meeting Vol.82 レポート
2020年9月26日(土)にWCK Meeting Vol.82「ベルメゾンネットの創始者に聞く!ECサイト&実店舗で売上を上げるための考え方」が開催されました。
WCKでは2度目のオンラインセミナーになる今回のセミナーは、中山茂マーケティングデザイン株式会社の代表取締役の中山茂さんに講師として登壇していただきました。
ECサイト黎明期に千趣会にてベルメゾンネットを立ち上げられたご経験のある中山さん。EC歴25年の経歴をお持ちで、どのようなお話が聞けるのか楽しみにしていました。
今回のセミナーでは、ECサイト&実店舗で売り上げをあげるための具体的な考え方と「経験&概念」の重要性についてお話しいただきました。
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呪縛となっている「売上げ」というものをいくつかの視点でアプローチする
ネット社会以前からある既存企業は、アナログ時代に勝ち抜いてきた実績や積み上げてきた信頼に自信があり、ネットを敬遠しがちでした。
しかし「自分たちもネットショップを始めなければマズいのでは?!」という危機感が広がっています。
ネット社会になっての「あるある」として、
- まずはネット担当部署の新設
- ECの仕組みはまずはモール出店かECパッケージ
- 目標値は「ネット売上げ」「EC化率」
- FB、Twitter、InstagramなどでもSNSで情報発信
- 自社ECだと直販できて利益率UP!
などが挙げられます。
しかし、現実の「あるある」は
- ECの運営に意外にお金が掛かって単独では全然赤字
- 新規のお客様が全然集まらない
- お店のお客さんがWebにシフトして売上げが横ばい
- お店から「店舗のお客を取るな!」とクレームが入る
- 雑務が多すぎてマーケティングをやってる時間ない
- ネットに詳しい人を募集しても求める人が集まらない
- SNSで情報発信しても「いいね!」があまりつかない
このような理由から、ECを始めたけど途中で足が止まってしまうことも多いのではないでしょうか?
「もっとお客さんを呼んで売り上げを上げたい!売れているサイトは効果的なすごい施策をやっているに違いない。てっとりばやく教えてください!」と、いきなり施策やテクニックに走りがちですが、その前にいろんな重要ポイントが抜けているというお話しでした。
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施策やテクニックの前に必要なこと「経験と概念」
店舗系EC展開の「あるある」として、
- Webの売上げは新しい売りが上がる新店舗展開だと思っている
- ECの部署を新設する(ネットに詳しそうな若手を招集する / 余った人材で構成する)
- 店舗での成功体験をそのままシフトする
- お店で売っているものをそのまま通販すればよいと思っている
- 建物を建てなくてよいので費用が安くすむと思っている
- 時間と空間に制限されないので全国のお客様が来てくれると思っている
という点が挙げられます。
その場当たりの売り上げを考えるよりも、商売は売り上げを上げ続けることを考えることが重要です。
そのために、まずは商売が成り立つための基本原則にかえってみようとのことでした。
商売が成り立つための基本原則は、お客様と「価値観で相思相愛になれるかどうか」です。お客様と末長くよい関係性を築くということが、売り上げを作ることに繋がります。
「売り上げ」を言い換えると「ファンを増やす」ことで、ファンとずっと良い関係を続けていけるかどうかが重要だというお話しでした。
ひとつの事例として、アパレル業界の例を出されました。
アパレル業界は、スタッフの接客やノルマなどリアル店舗中心だったために、ネットとは相性が悪いとされて、一番ネット進出に遅れていた業界でした。
しかし、今ではウェブと店舗スタッフをうまく融合させるたり、自主的オンライン接客によって、成功したアパレル業界の事例があります。それはまさにテクニックと知識では乗り越えられない、経験と概念で生み出された成功例です。
この発想が出てくるかどうかが他と差をつけた成功事例に繋がる分かれ道であり、経験と概念の重要性はそこにあるというお話しでした。
ほかにも、自社サイトのポジショニング、戦略設計、事業計画再整理、EC業務外部スタッフの今後など、ここでは全てを書き切れないほど興味深い内容が目白押しでした。
また私たちウェブ制作に関わる人々との関係についてのお話しもありました。
「企業さんに対してクライアントと思うよりも、請負いを脱却して共創の関係を作って一緒にやっていく、一緒に作り上げていくという提案ができる。」
この言葉は制作者として、どのような価値をお客さんに提供すれば良いかを改めて考え直すことができました。
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オンライン懇親会
オンライン懇親会では、一人一人の質問にも親身に耳を傾けてくださり、セミナーの内容の補足や裏話などで盛り上がりました。
ご参加いただいたみなさま、中山茂さん、ありがとうございました!