WCK Meeting Vol.38「現場の声に学ぶ! SNS活用サポート勉強会」レポート
2016年2月19日(金)かるぽーと第1和室にて、WCK Meeting Vol.38「現場の声に学ぶ! SNS活用サポート勉強会」が開催されました。
今回の登壇は、杉本憲昭さん、大久保真希さん、間嶋沙知さんの3名。
Web制作者の目線から、クライアントのSNS運営をサポートする際に、どんなことができるかを考える3部構成となりました。
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SNS活用の前に ~ターゲティングとコンセプト設定~
第1部は、ウェブクリエイターズ高知の代表であり、ウェブポップ のクリエイティブディレクターでもある、杉本憲昭さんのショートセッションでした。
県内外多くのWebサイト制作のディレクションをされてきた経験から、SNSを利用する前にも押さえておきたい、ターゲティングとコンセプト設定についてお話しいただきました。
キーワードは「共感」と「関係性」
SNSで情報が拡散する仕組みの裏には、その情報への「共感」がある、と杉本さん。友達や知り合いを応援したいから、為になるから、多くの人に知ってほしいことだから、人から人へと情報がシェアされていくのです。
SNSでシェアされるためには、ユーザーの共感を得られる体験を提供することがポイントになります。一見、不特定多数に向けて発信するように見えるSNSにおいても、大切なのは1対1の間にある関係性です。ターゲットであるお客さまに、自分たちがどんな体験を提供できるのか。
そうした関係性が積み重なることで、「六次の隔たり」の言葉に象徴されるような、爆発的な情報拡散も生まれるのでしょう。
SNS活用に必要なターゲティングとコンセプト設定とはつまり、誰に何を伝えたいのか、お客さまの喜ぶ顔をどれだけリアルに描けるかということなのかもしれません。
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難しすぎないクライアント目線のSNS活用(Facebook 編)
第2部は今回のメインセッションである、Office-KMK の大久保真希さんによる「難しすぎないクライアント目線のSNS活用(Facebook 編)」でした。
地元の事業者さんのWebサイト制作をはじめ、Facebook ページ運営のサポートや、セミナー講師としても活躍されている大久保さん。今回は制作者向けの勉強会ということで、SNS活用のサポートをする際の肝になるポイントや、ぶっちゃけ話(?)まで、惜しみなくお話しいただきました。
ワークシートを通して考える、“Web活用棚卸し”
セッション内では、大久保さん考案の3つのワークシートを見ながら、SNS活用のポイントを見ていきました。
SNSに限らず、現在行っている広報や販促のための施策とその体制を確認する「運営状況確認シート」。
各施策にかける時間と予算と優先順位のバランスをチェックする「バランスシート」。
ビジネスのコンセプトとターゲットを言語化し、効果的なSNS運用ルールを導き出す「コンセプトシート」。
一口にSNSのビジネス活用といっても、クライアントにより運営状況もゴールも異なります。これらのワークシートに記入してもらうことで、個々に必要かつ最適な運用方法が見えてくる、という優れものなのです。
Webサイトにブログ、各種広告やリアルイベントなど、クライアントが広報・販促のために運営しなければならないものは増えています。
そこでやみくもにSNS導入をすすめるのではなく、本当に効果の出る施策に労力をかけよう(コストの割に効果が薄いものは見直そう)、という「棚卸し」の考え方には目からウロコでした。
戦略的SNS活用に導こう!
SNSを運用していく上で気になるのがユーザーのリアクション。今回は Facebook ページのインサイトの見方を中心に解説していただきました。
自社ページにはどんなファンがいて、どんな内容に反響があるかなど、効果的な Facebook 投稿をするためのチェックポイントを教えていただきました。
Facebook といえば「いいね!」の数に捉われがちですが、投稿のリーチ数に注目することで、お客様とのコミュニケーションの密度や愛着心といった、ビジネスの成功を考える上でより重要な指標にフォーカスできるというお話が印象的でした。
アクセス解析などに馴染みのない人には難しく見えるインサイトですが、こうしたチェックポイントを知ることで、SNS運用への手応えを得ることができます。クライアントのモチベーションを保ち、ターゲットに届く戦略的活用をサポートするためにも、制作者が知っておきたい非常に有効なお話でした。
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ユーザー視点から考える SNS活用の勘どころ(三十路女編)
第3部のショートセッションでは、「ユーザー視点から考える SNS活用の勘どころ(三十路女編)」としてデザイナーの間嶋沙知がお話しました。
30歳女性が普段SNSを使っていて感じることや、周りの声や気になるトピックスを取り上げて、ユーザーの心理やSNS活用の勘どころを紐解きました。
どんな「気分」になりたいか?
複数のSNSを利用している人でも、アカウントが実名か匿名か、テキスト主体かイメージ主体か、などによってそのSNSに求めるものは変わってきます。
今回のセッションでは、「面白いことを探している、同じ興味の人と盛り上がりたい」Twitter ユーザーと、「素敵なものだけ見たい、好きな世界の純度を保ちたい」Instagram ユーザーの心理をピックアップし、どんな投稿なら目を留めるか、フォローしたくなるかを考えました。
ユーザーの利用シーンや求めている気分を観察することが、ターゲットに響く投稿を考えるヒントになれば幸いです。
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お申し込み受付開始と同時に、多くの参加希望をいただいた今回の勉強会。急遽定員を増やしたにも関わらず、当日は満員御礼!
初めてご参加いただいた方も多く、SNSのビジネス活用への関心と需要の大きさを感じました。
新しい機能が追加されたり、ユーザー層が移り変わったりと、日に日に姿を変えるSNSの実態。鉄板の必勝法があるわけでもなく、自分が伝えたい情報を出すだけでは効果が表れにくいなど、担当者にとっては頭を悩ませることも多いかもしれません。
ウェブクリエイターズ高知では、今後も参加者が一緒になって「より良いウェブ活用」を考えられるような勉強会を企画していきたいと考えています。
今回ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!
写真撮影:中野玄(HOOP Design)、上野洋平(notch)